仲介会社の選び方


 底地問題を解決する最も良い方法は、「良い相談者」を選ぶことです。
業者のなかには、底地を安く買取り、高く売却しようと言葉たくみに交渉をしてきます。
その結果、所有者にとって不本意な取引になってしまったり、トラブルになることも少なくありません。
そのためにも、悪徳不動産業者とは、どのような特徴があるのかを知っておきましょう。

 その1:すぐに家の中へ入ろうとする
とにかく家へ上がろうとし、一度上がると強引に話を進めます。
そして納得のいく返事を聞くまで帰ろうとしません。
 その2:ご主人・息子さんなどが留守のときを狙って訪ねてくる
はっきり断ることができない、もしくはよく事情を知らない奥さんやお年寄りを狙っています。
このような業者は、最初から良心的に話を進めるつもりはありません。
 その3:提示してくる価格の根拠となるような資料を見せない、渡さない
簡素でよく分からない資料を提示し、しっかりとした説明がなかったりします。
それには提示した価格の根拠をはっきりと示せない理由があるからです。
つまり、適正価格より安いのです。
その逆に、膨大な量のレポートを提示してくる業者も疑わしいです。
「素人に内容は分からないだろう」と分量でごまかしている可能性があるからです。
 その4:とにかく結論を急ぐ
悪徳業者は、地主が他の専門業者にアドバイスを受けないように、「ウチにお任せ下さい」と何かと契約を急ごうとします。
どんどん話を進めて書類に印鑑を押すよう急かしてくるような業者には注意しましょう。
 その5:会社ホームページや名刺に宅地建物取引業免許証番号がない
宅地建物取引業免許証番号(以下、免許証番号)とは、東京都知事(1)第11111号、国土交通大臣(2)第22222号
この様なもののことを指します。
宅地建物取引業(以下、宅建業)は登録制(免許制)ですので、宅建業者は国土交通省もしくは都道府県に登録し、大臣・知事から免許を取得しなければなりません。
この免許証番号がはっきりと表示されていない業者は、「見せかけ業者」である可能性があります。
もぐりの業者はトラブルになると、いざとなった場合に雲隠れしてしまいます。
「だまされた!」と分かってからでは手遅れの場合があります。



悪徳不動産業者を見分けるポイント


 上記のような悪徳不動産業者にひっかからないようにするにはどのようなことに気をつけたら良いのでしょうか。
以下のポイントを意識して業者を選びましょう。
 免許証番号のカッコ内の数字
宅建業が登録制なのは既にお伝えしたとおりですが、この登録制度は一度登録すれば永久に営業できるわけではありません。
宅建業は更新性になっているので、必ず5年に1度更新をしなければならないのです。
そして、この更新回数はカッコ内の数字でわかるようになっています。
東京都知事(1)第11111号
国土交通大臣(2)第22222号
上段は更新回数0回、下段は更新回数1回です。
つまり、上段の業者は宅建業歴0~4年、下段の業者は同5~9年とわかります。
とは言えこの番号、絶対的な信頼があるわけではありません。
あくまで参考程度に考えてください。
 業界団体に加盟しているかどうか
昨今、宅建業者の資質向上とトラブルの未然防止等を目的として様々な業界団体が作られております。
具体的には、広告などに関する自主規制、苦情・トラブルに対応するお客様相談室の設置、各会員の資質向上を目的とした研修会の実施等、モラル向上・コンプライアンスの徹底・専門知識の研鑚に関する取り組みを行っています。
主な業界団体は、㈳不動産協会・㈳全日本不動産協会・㈳不動産流通経営協会・㈳全国宅地建物取引業協会などです。
これらの団体に加盟しているか否かというのも悪徳不動産業者の見分け方の一つです。
 業者の歴史をみる
宅地建物取引業者として登録されていれば、宅建業者名簿に掲載されています。
この名簿は各都道府県に備え付けられており、誰でも無料で閲覧することができます。
閲覧できる内容は、
① 免許証番号
② 営業年数(最初の免許取得年月日)
③ 商号または名称
④ 代表者・役員
⑤ 事務所の所在地
⑥ 資産状況
⑦ 専任の取引主任者
⑧ 過去の営業実績
⑨ 行政処分歴の有無
です。
この名簿を閲覧すればその業者の歴史が一目で分かります。
ちなみに、名称・事務所の所在地・役員・専任の取引主任者等が頻繁に変更されている場合には注意が必要です。
その他、営業実績・行政処分履歴(指示処分・業務停止処分の内容、年月日)・財務状況を知ることができます。
怪しいなと思ったら閲覧してみると良いでしょう。
東京都の場合、インターネットで閲覧することが可能です。
閲覧できる内容は、都知事免許業者および、国土交通大臣免許業者のうち東京都内に主たる事務所が存在する業者の①免許証番号、②商号又は名称、③代表者氏名、④資本金、⑤事務所所在地、⑥電話番号、⑦過去5年の行政処分歴です。
参考:東京都都市整備局「宅地建物取引業者の免許情報提供サービス」
http://www.takken.metro.tokyo.jp/
 会社のホームページがあるか
近年の不動産業者のほとんどが自社HPを持っています。
ですが、あまり表に出たくない会社は当然HPなど用意していないでしょう。
「ホームページがない=悪徳不動産業者」ではありませんが、信頼できるかどうかのひとつの参考に調べてみても良いでしょう。

悪徳不動産に出会ってしまった時の対処法

 「この業者はちょっと信頼できないな」
と思ったら、まずは話を一旦保留にしましょう。
そのポイントは、
① 強引・しつこい業者は家に入れない
② 「もぐりの業者」とは一切関わらない
③ その場で契約書等に印鑑を押さない
④ 提示された価格・資料は専門家に見てもらう

底地問題で困ってらっしゃる地主様につけこんで来るこれらの悪徳業者にはくれぐれも注意しましょう。






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