共有地になっている場合は?

底地が複数人の共有地の場合でも、問題は解決できます!
ご存知の通り、底地は不動産問題のなかでも、なかなか難易度の高い問題のひとつです。
その所有者が一人の場合であれば、さほどではありませんが、複数人に渡って所有しているケースは大変複雑になります。

底地の共有地を解決するには

難解な底地共有地の解決には何から始めれば良いのでしょう?
ぜひ、下の質問を参考にしてください。

1.底地共有地を解決したいと思いますか?

(ハイ。解決したいです)
2.他の共有者の意見は聞きましたか?

(ハイ。聞いてみました)
3.どのような意見でしたか?

底地を買い取っても良いと言っています
 【解決方法】
  共有持分を売却しましょう!
所有者全員が売っても良いと言っています
 【解決方法】
  共有者で共同して、借地人へ売りましょう!
  共有者で共同して、底地買取業者へ売りましょう!
  他の共有者の共有持分を買い取りましょう!
現状のままで良いと言っています
 【解決方法】
  共有地を共有者間で分割しましょう!

共有地は、単独でその土地の売却・賃貸を決定することはできません
それには
所有者全員の承諾が必要になります
共有する相手が親族である場合は、身内で話し合えば良いのですが、なかには全くの第三者が権利者になっていることもあります。
そうなると、共有者全員の意思をまとめるのは非常に困難になります
そういう意味では、底地は共有者が少ない段階でできるだけ早めに解決すべき資産ということができます。




共有持分を売却する

              
一部の共有者に購入の意思がある場合に、持分をその共有者に売却する方法です。
他の共有者のうち一人でも買い取る意思があれば自分の持分を処分できます。
すぐに現金が欲しい場合や共有者が多く意思統一を図ることが難しいときに有効な方法です。
但し、兄弟間の売買などで、売買価額が近隣相場と比較してあまりにも低額の場合には贈与とみなされてしまう場合がありますので注意が必要です。

メリット

● 比較的短期間での売却が可能(すぐに現金を手に入れることができる)。
● 共有者全員の意思統一は不要
● 底地上に建物があり、分割することが効果的ではないときに有効。

デメリット

共有者に購入の意思・資金力が必要


共有者全員で共同して借地人へ売却する

        
共有者全員に売却の意思があり、かつ借地人に購入の意思がある場合に、他の共有者と共同して借地人へ売却し、売却代金を持分で按分する方法です。
このとき、必ず事前に売却に伴う費用の負担等について取り決めをしておく必要があります

メリット

最も高値で売却できる可能性がある

デメリット

他の全共有者に売却の意思が必要なため、共有者が多い場合には困難。
● 売却時期や売却価格等について、全共有者間で意見調整しなければならない。
借地人の同意が必要


共有者全員で共同して底地買取業者へ売却する

 
共有者全員に売却の意思がある場合に、他の共有者と共同して底地買取業者へ売却し、売却代金を持分で按分する方法です。
このとき、借地人へ売却するときと同様に必ず事前に売却に伴う費用の負担等について取り決めをしておく必要があります

メリット

早期の売却が可能
● 借地人の同意が取れない場合に有効。

デメリット

● 他の全共有者に売却の意思が必要なため、共有者が多い場合には困難。
● 売却時期や売却価格等について、全共有者間で意見調整しなければならない。
借地人へ売却するより売却価格が安くなる


他の共有者の共有持分を買い取る

他の全共有者に売却の意思がある場合に、全共有者の持分を買い取る方法です。
共有者全員に売却の意思が無く、一部の持分のみを買い取っても効果的はありません
この解決方法は、一旦全ての持分を買い取った後でも底地状態が継続するため、さらに借地人や底地買取業者への売却交渉等の対策を進める必要があります。
分割すると市場価値が著しく低下するような小規模の底地や借地権を振り分けることができない場合には有効的ですが、基本的には他の共有者に購入する意思が無く、また共同で第三者へ売却するのも面倒くさいというような事情がある場合に用いる方法です。
尚、兄弟間の売買などで、売買価額が近隣相場と比較してあまりにも低額の場合には贈与とみなされてしまう場合がありますので注意が必要です

メリット

分割できないような条件下の場合に有効的

デメリット

● 他の全共有者に売却の意思が必要なため、共有者が多い場合には困難。
● 売買価格等について、全共有者間で意見調整しなければならない。
● 一時的に他の共有者の持分を購入する資金が必要。
底地状態を解消するための更なる解決策が必要


共有地を共有者間で分割する

         
他の共有者が現状のまま底地を所有することを希望する場合に、共有持分に応じて土地を分割する方法です。
分割すると市場価値が著しく低下するような小規模の底地や借地権を振り分けることができない場合にはこの方法は使えません
また、分割する場合には、持分に基づき単純に面積を3等分するのではなく、土地の経済的価値に応じて3等分になるように分割しなければなりません。

分割案の例

          
つまり、その土地が整形ではない場合や一部の土地のみ角地になる場合には、それぞれの土地の価値(評価額)が3等分になるようにします。
上図の面積は③>②>①となっていますが、①は角地であり、③不整形地であることからそれぞれの土地の経済的価値は概ね等しく分割されています。
どのように分ければ良いかは、不動産鑑定士などの専門家に評価を依頼し、分割後の土地の経済的価値が等分になるように分割案を提案してもらいましょう。
この解決方法は、分割後でも底地状態が継続するため、さらに借地人への買取交渉等の対策を進める必要があります。
分割時の借地人との話し合いのなかで、底地を買い取りたいと考えている借地人がいる場合には、当該借地人の底地部分を、処分したいと思っている人の名義にすれば底地問題も解決します。

メリット

● 分割に当たって、借地人との関係を整備することができる。
● 分割後の方が市場性が高まるような規模が大きな土地の場合に特に有効的

デメリット

● 分割案等について、全共有者間で意見調整しなければならない。
底地状態を解消するための更なる解決策が必要