底地の物納

底地は時間が過ぎると物納すらできなくなります!


 物納とは、相続税を現物で払う方法で、金銭で一括納付することが難しく、延納(分割払い)も困難な方に認められている制度です。
この場合、国が引き取る価格(収納価格)は相続税評価額です。
 つまり、売却価格が相続税評価額より高い場合には、売却しその代金を納税財源に充てることになります。
低い場合には、物納を選択する
ことになります。

 ただし、全ての不動産について物納が認められるわけではありません

 現状のままでは、物納の要件を満たさず、物納が認められない不動産の方が多いでしょう。
しかも、底地の物納は他の不動産に比べて条件はさらに厳しくなります。


        具体的な解決サービスについてはこちら>>

底地を物納できる要件とは?

 底地であっても下記の要件を全て満たせば物納は認められます。
・ 延納によっても金銭で納付することが困難な金額の場合
・ 申請財産が物納の対象になる財産で申請順位による場合
・ 物納申請書及び物納手続関係書類を期限までに提出した場合
・ 物納適格財産である場合
 上記のうち、特に重要になってくるのが、「物納適格財産であること」という要件です。
平成18年度の税制改正において、物納不適格財産が明確化されました。

「管理処分不適格不動産」とは?

 不適格要件に該当するかを確認し、もし該当しているなら要件を整備することで物納適格不動産にできるかを調査しましょう。
①抵当権等の担保権が設定されている
②差押えられている
②所有権の存否、帰属について争いがある
③境界が明確でない
④隣接地から、及び隣接地へ建物等が越境している
⑤適法に接道していない
⑥借地権の目的となっている土地(底地)で、借地人が不明
⑦借地契約の内容が地主に著しく不利である
⑧地代の滞納がある
⑨地代が供託されている
⑪地代が近隣の相場と比べて著しく安い(目安は相場の7割程度以下)
⑫他の不動産と一体利用されている
⑬共有不動産である(但し、共有者全員が持分の全部を物納する場合を除く)
⑭崖地・極端な狭小地・極端な不整形地
⑮敷金返還債務がある
⑯土壌汚染がある

「物納劣後不動産」とは?

 同年度の税制改正において、新たに「物納劣後不動産」が創設されました。
これは、他に物納に充てるべき適当な財産がある場合には物納することができませんが、それが無ければ例外的に認められる財産として規定されています
あくまでも原則的には認められない財産ですので、過大な期待は禁物です。
あせて確認しておきましょう。
 「物納劣後財産」
①地上権、永小作権、もしくは耕作を目的とする賃借権、地役権又は入会権が設定されている土地
②法令の規定に違反して建築された建物及びその敷地
③土地区画整理法による土地区画整理事業等の施行に係る土地につき、仮換地又は一時利用地の指定がされていない土地(当該指定後において使用又は収益をすることができない土地を含む)
④現に納税義務者の居住の用、又は事業の用に供されている建物及びその敷地
⑤劇場、工場、浴場、その他の維持又は管理に特殊技能を要する建物及びこれらの敷地
⑥建築基準法第43条第1項に規定する道路に2メートル以上接していない土地
⑦都市計画法の規定による都道府県知事の許可を受けなければならない開発行為をする場合において、当該開発行為が開発許可の基準に適合しないときにおける当該開発行為に係る土地
⑧都市計画法に規定する市街化区域以外の区域にある土地(宅地として造成することができるものを除く)
⑨農業振興地域の整備に関する法律の農業振興地域整備計画において、農用地区域として定められた区域内の土地
⑩森林法の規定により保安林として指定された区域内の土地
⑪法令の規定により建物の建築をすることができない土地(建物の建築をすることができる面積が著しく狭くなる土地を含む)
⑫過去に生じた事件又は事故その他の事情により、正常な取引が行われないおそれがある不動産、及びこれに隣接する不動産。

 万が一、何も対策を施さずに相続が発生してしまった場合には、時間的制約から物納の要件を備えることが困難なことが多く、また借地人へ売却交渉する余裕もないため、手遅れとなる恐れがあります。



        具体的な解決サービスについてはこちら>>



底地相続の注意点  ●底地を物納する

相続対策をするには?  ●物納制度改正のポイント(H.18年度)

鑑定評価の実例